松岡コレクションの東洋陶磁は、中国の陶磁器が主体をなしていますが、朝鮮半島の高麗青磁、およびベトナムの青花・五彩なども若干ながら蔵されています。それらは先進の中国陶磁の影響を受けつつも、各々の地域色が色濃く反映されて異なる趣を示しています。
12世紀、翡色青磁と尊ばれた高麗青磁。その器表に文様を彫り窪め、赤土や白土を埋める象嵌技法が発達し盛んに作られました。象嵌による鶴、鷺や花文様の細やかな装飾は静かな佇まいを醸しています。また、中国・元時代の青花磁を彷彿とさせるベトナム青花の作風には特有の大らかさがあり、日本では安南染付とよび親しまれてきました。
本展では、中国と日本の陶磁もあわせ、 約50件の出品いたします。それぞれの味わいを持つ、多様な美をお楽しみください。