絵本作家・葉祥明が絵本『地雷ではなく花をください』(自由国民社)を1996年に出版してから20年以上が経ちました。うさぎのサニーちゃんが「平和な世界をみんなでめざそう」と世界の地雷問題や私たちに出来ることを優しく教えてくれたこの絵本は、売上金が地雷撤去・不発弾除去に使われるという新しいボランティアのカタチを生み出しました。その後、カンボジア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、アフガニスタンなど戦争・紛争地域を舞台にした続編が全5巻シリーズとして出版され、累計61万部を越える絵本が沢山の方の手に渡り、支援へと繋がりました。世界各地の約東京ドーム567個分の土地の安全確保と、100万を超える人びとに地雷や不発弾を回避する教育活動を行いこの20年の間に、地雷問題は解決に向かって進んでいます。
しかし、シリア紛争の戦闘激化とともに地雷汚染の問題が生まれ、多くの人が難民となりました。今、同じ時代に生きている私たちに出来ることを考えるために、サニーちゃんが再びシリアへ旅に出ます。"シリアとはどんな国か""なぜシリア内戦は起きたのか""シリアの現状"を伝えながら、サニーちゃんが紛争に巻きこまれた子ども達を訪れるお話を紹介します。私たちが国際社会の一員として、取り組める何かを考えるきっかけとなれば幸いです。
★★★
『私たちにできることは小さなことです。でもすべてのことは、一人ひとりの、小さな取り組みから始まります。どうぞ「私たちに関係ない」「私には何もできない」と思わないでください。忘れ去られるのは何よりもつらいことです。だって、向こう側にいたのは、私やあなたたちかもしれないから。私たちの大切な友だちかもしれないから。』
長 有紀枝(あとがき-一部抜粋-より)