青木藤作(1870~1946)は栃木県中心に肥料店を経営した実業家。藤作は当時ジャーナリストとして活動していた徳富蘇峰の『国民の友』を読み、感銘を受け、蘇峰宅に訪問、以降師と仰ぐようになります。藤作の美術品収集も蘇峰の影響を受けて始めたものでした。このコレクションは歌川広重等の肉筆画や浮世絵版画、小林清親の版画、川村清雄の油絵、徳富蘇峰の書や関係資料と多岐に渡ります。蘇峰との交流から美術作品を収集しはじめ、楽しんだ藤作ですが、収集作品の複製本の作成活動から個人で美術品を楽しむだけでなく多くの人に知ってもらいたいという考えも垣間見る事ができるでしょう。
本展覧会では、収集作品と藤作によって作成された複製作品より季節に合わせ春の作品を中心にご紹介します。