民族学者・柳田國男(1875-1962)の『遠野物語』や、民話のふるさととして広くしられる岩手県遠野市。この遠野の築180年の古民家で、山里の風景や暮らしを描く本田健の展覧会を開催します。
本田は20代の終わりにふと立ち寄った遠野の自然や人々に魅了され、そこで本格的な創作活動を開始します。チャコールペンシルの線を幾重にも重ね、丹念に描かれた緻密な作品は、移りゆく景色の一瞬をまるでモノクロ写真のようにその画の中にとどめています。山中の小径を描いた横5mを越える大作は、見るもの自身がその景色の中に入り込んだかのように感じさせます。
本展覧会では、代表作であるこれらのチャコールペンシルのドローイングに加え、文字や図形などをモチーフとしたカラフルな油彩画、そして近年制作された野菜や草花を中心とする油彩画を展示します。
本田が見つめ続けた遠野の原風景を、掛川でぜひご覧ください。