ごあいさつ
この秋は銅版画と「ことば」による展覧会を開催します。
浜口陽三の銅版画はさくらんぼや毛糸など身近な静物をモチーフとし、二〇世紀後半にはフランスをはじめ多くの国で高い評価を受けました。さりげなく静かで深い佇まいの作品は、言葉や文化の違いを越えて広く感銘を与えてくれます。
ここに浜口作品と並べて紹介する「ことば」は、詩、短歌、俳句、落語、伝承あそびなど様々です。「ことば」によって作品が明るく輝いたり、モチーフがつぶやき始めたりと表情の変化する浜口作品が、見どころです。
絵と「ことば」が醸し出す世界を存分にご鑑賞ください。自分ならどんな「ことば」を添えたいか、ご自身の展示空間を空想しながらご覧いただければ幸いです。
多くの詩人たちとお仕事をされてきた編集者の金井ゆり子氏に遊びゴコロ満載で選んでいただいた、銅版画五十点、「ことば」三十点の構成です。なお、このたび浜口陽三がシルクスクリーンを手がけた資料が見つかりました。イベント-演奏会とコンサート-にて紹介いたします。