愛媛県松山市出身の杉浦非水(1876-1965)は、日本におけるモダンデザインの先駆者として高く評価されています。日本画家としての基盤を持ちながら、黒田清輝がもたらしたアール・ヌーヴォー様式などに影響を受けたそのデザイン感覚は、非水の名を広く知らしめた三越呉服店での一連の仕事を筆頭に、ポスター、装丁、雑誌表紙など幅広い分野にわたり発揮されました。生誕140年の節目にあたって開催する本展では、約7,000点に及ぶ当館の非水コレクションを軸に作品や活動の詳細をたどることで、改めてその魅力に迫ります。