世界の工芸の今を知る
薪技芸(しんぎげい)は、日本、中国、韓国を中心としたアジア各国、欧米の各美術大学の40代以下の工芸系の大学教員、若手作家の作品を集めた展覧会です。
本展覧会は、清華大学美術学院 劉潤福先生の発案により、2015年に中国の北京と上海で「第1回 薪技芸・燃」と題して行われ、東京藝術大学は日本の代表として、展覧会の立ち上げに協力いたしました。今回は、それを引き継ぎ、「第2回 薪技芸・炎」として、日本の東京藝術大学にて行います。
工芸系の国際展は他にあまり例を見ず、非常に貴重な展覧会でもあります。また、本展覧会に参加する若手作家の作品は、伝統的な技法に現代的な解釈が加わり、非常に興味深い展開を見せています。それらの作品を一堂に会して、鑑賞できるという点でも意義あるものになるでしょう。
副題には<炎>という漢字を選びました。炎は、火という漢字が縦に2つ連なり、より大きな火になる漢字です。この言葉には、第1回の薪技芸で燃焼の始まった火を繋げ、大きな炎にしていきたいという思いがあります。また、工芸は伝統を受け継ぎ、習得し、新たな表現に繋げていく分野です。この繋げて発展させるという行為を炎という文字に込めて、今回の副題といたします。
本展覧会を多くの方々にご高覧いただき、新たな感性を楽しみ、発見していただければ幸いです。
東京藝術大学工芸科助教 薪技芸運営委員会委員長
三神 慎一朗