情熱的な絵本づくりで日本の絵本史に残る傑作を数多く発表し、日本人として初めて国際アンデルセン賞画家賞を受賞した赤羽末吉。本展では、赤羽の幅広い絵本の仕事のなかから、『スーホの白い馬』『ほしになったりゅうのきば』 『あかりの花』など、中国やモンゴルの大地を舞台とした絵本の数々を、多くの資料とともに紹介します。
赤羽は1932年に旧満州(中国東北部)に渡り、以来15年間を彼の地で暮らしました。中国大陸の風土や文化に魅せられて絵筆をとり、次第に画家として高い評価を得るようになります。
50歳で絵本画家として活躍をはじめた赤羽は、戦後再発見した日本の風土の美しさとともに、大陸の風土の壮大なスケールを、絵本を通して子どもたちに見せたいと願うようになります。一冊ごとに物語の視覚的な演出に創意工夫を凝らし、舞台となる風土の研究に取り組んだ赤羽が、中国やモンゴルの風土や文化、人々の生活をどのようにとらえ、絵本に表現したかを探ります。