日本の陶芸は今日、かつてないほどの活況を呈しています。特に2000年以降、シャープで洗練された新しい形の器や、微細なパーツが密集し増殖するかのようなオブジェなど、従来の陶芸のイメージを変える作風の作家が次々と登場しました。彼らは、土を形にし、釉薬をかけ、焼成するという陶芸のプロセスに沿いながら、現代の感覚を反映させ、斬新な作品を生み出しています。こうした発展の背景には、近代の作家たちが伝統のスタイルを尊重しつつも、そこに自身の感性をぶつけることで、新たな造形を生み出してきた歴史があります。2016年4月、現代陶芸をリードする人材の育成を目指し、茨城県立笠間陶芸大学校が開校しました。この機に、戦後の陶芸界を牽引した作家から、新進の若手作家、海外の著名作家に至るまで、様々な作品を集めた展覧会を開催します。「むずかしい」「わからない」と思われがちな現代陶芸の世界を、陶芸の知識がある方もない方も楽しんでいただけるよう、わかりやすく「ご案内 (ガイド)」します。