桃山時代に樂茶碗を造り出した初代長次郎以来、400年余りにわたり技と精神を守り続けてきた「伝統の家」樂家に焦点を当て、15代当主・樂吉左衞門氏とその二人の子息、篤人氏、雅臣氏の作品を展観いたします。伝統に立脚しながらそこに安住することなく、常に斬新な造形美の世界を表現し続けている当代吉左衞門氏の茶碗。未来を背負って次なる16代を継承することになる惣吉・篤人氏の茶碗。樂家を出て造形の道を進む次男・雅臣氏の石彫。「樂家」という伝統の家に生まれ育った父子三様の取り組みが、それぞれ人生とともに本展で出合い、また個別な人生を歩んでまいります。まさに初めての、そして最後の親子展です。
それぞれの取り組みを通じ樂家父子の深い創造への思い、さらに伝統の家族に貫かれている生きようをご覧いただければと存じます。