なぜ、ダリはほうれん草が嫌いだったのか?
「柔らかい時計」の呼び名で知られる油彩画《記憶の固執》(1931年、ニューヨーク近代美術館蔵)で、一躍アートシーンの寵児となった芸術家、サルバドール・ダリ(1904~1989)。本来持つべきはずの硬さを失ってとろりと垂れ下がった時計は、その後のダリ作品の代表的なアイコンとなるほどに衝撃的なモチーフでした。
「柔らかい時計」の他にも、ダリの作品には様々な「やわらかいもの」、そして「かたいもの」のモチーフが登場します。ダリが生涯に渡り異様なまでの執着を見せた「かたいもの」と「やわらかいもの」は如何にして誕生し、作品に登場してきたのでしょうか。
この度開催となる特別展では、当館のコレクションよりサルバドール・ダリの絵画や彫刻など約50点を展示します。作品に登場する「かたいもの」「やわらかいもの」のモチーフを通して、ダリのパーソナリティーをご紹介します。