今年度から「コレクション企画」と題して、所蔵作品を様々な視点で観ていただく場をもうけました。所蔵品のうち、比較的大きなまとまりを持つ作品群を選び、構成・展示します。今回は、具体美術協会(ぐたいびじゅつきょうかい、1954年発足・1972年解散)で活躍した作家を取り上げその作品を昇華しいます。
具体美術協会は吉原治良(よしはら・じろう)を中心に関西で結成された前衛美術グループで、日本の戦後美術の、一つの起点となる重要な活動をおこない注目されました。特に近年、「具体」は内外の多くの展覧会で取り上げられ、日本の現代美術を代表する活動としてすっかり定着しました。
宮城県美術館は、具体美術協会で活躍した作家たちの作品を所蔵しており、当館の戦後美術コレクションの中核をなしています。今回はその中から、約40点を展示します。
「具体」は、その傾向の違いによって、一般に3つの時期に大きく分けられます。今回はその時期にしたがって作品を展示することで、各時期の特徴を明らかにしながら、当館の「具体」コレクションの特徴を浮き彫りにします。