このたび世田谷美術館では、「竹中工務店 400年の夢 ―時をきざむ建築の文化史―」を開催するはこびとなりました。
本展は、竹中工務店の400年を超える歴史ある歩みを土台として、社会的あるいは文化的な諸状況をふりかえることで、日本が近代化していく過程を“建築”という視点から眺望しようとするものです。そして、竹中工務店が長年にわたり大切に守り育ててきた棟梁精神によって創りだされた代表的な建築=作品を「はじまりのかたち」「出会いのかたち」「はたらくかたち」「夢を追うかたち」「暮らしのかたち」「感性を育むかたち」「時を紡ぐかたち」「これからのかたち」という8つのカテゴリーに分類し写真、模型、図面、映像などでご紹介します。
また本展では、各建築が創られた時代の気配を感じていただくために、それぞれの時代の景色や造形感覚を反映した美術作品、また、企業や歴史的なイヴェントの宣伝材料といったグラフィックに類する諸資料もあわせて展示します。
竹中工務店が独自の価値観と美意識できざんできた時が、一つの建築文化史を形成し、そこに生まれた創造物が私たちの日常生活に寄り添っていることを感受していただけたらと願っています。