一代でコレクションを築いた初代館長 松岡清次郎は、作家の人気度や評価の有無は意に介さず、また体系的な蒐集に拘ることはありませんでした。西洋絵画コレクションも、ただ自らのインスピレーションに合致する作品だけで構成されています。鮮やかな色彩を自在に操り恋人やパリの街を描いたシャガール。チューブから絞り出した絵具をスピード感のあるタッチで用い、ダイナミックな風景画を次々と発表したヴラマンク。また、独特の質感を持った女性像を得意としたキスリング。松岡を魅了した彼らの作品は、今なお私たちの心に深い感動をもたらしています。
今回は観覧ご要望の多いシャガール、ヴラマンク、キスリングをはじめ、ユトリロ、ヴァン・ドンゲン、フジタ、ルオーの館蔵作品をすべて展示いたします。
(版画作品など7月12日より一部展示替えあり)