今も昔も世界中で愛される猫。日本では平安時代の頃から貴族たちのペットとなり、江戸時代には庶民の間でも広く愛玩されました。
やがて浮世絵が流行すると、様々な猫の絵が描かれるようになります。浮世絵の猫は、初め美人画の中でいたずらしたり、じゃれたりするペットとして登場しました。そして大の猫好きとして知られる歌川国芳が、まるで人間のように振る舞う擬人化した猫をユーモアたっぷりに描くと、猫を主役とする浮世絵が一躍人気となります。幕末から明治時代にかけては子ども向けの浮世絵・おもちゃ絵が作られ、子どもたちは擬人化された猫を見て楽しみ、遊びました。
本展では、日本有数の浮世絵コレクションとして知られる平木浮世絵財団の所蔵品から、歌川国芳をはじめ、歌川広重、月岡芳年などが手掛けた猫の登場する浮世絵約140点を一堂に紹介します。猫派はもちろん、だれもが思わずキュンとなる浮世絵の猫。お気に入りが何匹も見つかるかも?!