多田正美は、双ギャラリーで長年関わってきている作家の一人です。
音を起点としたパフォーマンス(サウンドエンカウンター)と、写真の仕事を継続して行ってきています。
今回は、東日本大震災以前に多田が撮影した沈む太陽の写真に、透明メディウムを施す事で新たに構成した作品として発表いたします。
多田は、震災前と今では、日没の太陽の色が変わってしまったと言います。
赤い太陽が富士山に衝突する、と錯覚を起こすほど見事な沈む夕日。
太陽が静かに沈む数分間をカメラに収めています。短い、峻烈なドラマを、一枚も捨てるのはなかったと、作家は全てを現像しました。生と死の間のような太陽の姿を。
何時もするように、小さなヒトガタの入った写真に透明メディウムを施し、1つのイメージを1つの展覧会で問うてみたいとは、作家の言です。
写真 透明メディウム 31.3×31.3cm 25枚
写真 透明メディウム 91×91cm 1枚
以上のようになります。
音と写真のコラボレーションになります。
音には痛みが、写真にはどんなドラマがあるのでしょうか、どうぞ画廊に足をお運びになって自分の目で、耳でお確かめください。