本展は、小山登美夫ギャラリーでは2年ぶり、5度目の個展となり、2015年~2016年制作の新作ペインティングを展示致します。
本展に際して、バトラーは次のように語っています。
「私の作品の中に繰り返しの感覚があれば、それは文字通りのものではありません。私は考えを何度も巡らせるのが好きで、時には過去の面影を拾い上げ、再び前面に出します。タイトルの「Trees Alone」は、一本の樹のイメージ(もしくは一つの作品)が、この展覧会の一部となっていくことを意味します。作品は、絵画作品としても、イメージとしても、キャンバスの中の要素としても単体として存在し、そしてそれぞれの絵画は一旦この展覧会から離れると、また単体として存在するのです。複数が単数になり、単数が複数になるのです。
画家として、私はスタジオで一人の時間を多く費やします。今回の展覧会は、いままでの他の展覧会よりも、より自伝的になると感じています。そして、本展は今回の新作を制作するにあたっての考え方やプロセスとより綿密に反響しあっています。2004年、ウィーンでの私の最初の個展のタイトルは「Tree Alone」でした。東京での「Trees Alone」は、ウィーンでの展覧会からの12年の歳月や、16の個展や、ウィーンと東京の9000キロの距離を超えた続きや結果として意味しています。」
13年間生活したニューヨークからウィーンに移り住み4年。息子が生まれ、父となったバトラーは新しい環境の中でより自分自身の作品に向き合い、私生活とのバランスの良い制作時間から意欲的に作品を作り出しています。今回の待望の新作をぜひご高覧下さい。