タイトル等
詩人・大岡信展
会場
世田谷文学館
2階展示室
会期
2015-10-10~2015-12-06
休催日
毎週月曜 (10月12日、11月23日は開館、翌日休館)
開催時間
10:00~18:00
(展覧会入場及びミュージアムショップの営業は17:30まで)
観覧料
一般 800(640)円、65歳以上・大学・高校生 600(480)円、小・中学生 300(240)円、障害者手帳をお持ちの方 400(320)円
( )は20名以上の団体料金 ※10月16日(金)は65歳以上無料
主催者
公益財団法人せたがや文化財団 世田谷文学館
協賛・協力等
[監修] 岩本圭司 (大岡信ことば館館長)、菅野昭正 (世田谷文学館館長) [特別協力] 大岡信ことば館
[協賛] 株式会社ウテナ [後援] 世田谷区、世田谷区教育委員会
概要
詩人として、また気鋭の評論家として若くから卓越した才能で頭角を現した大岡信(1931~)。古今の詩歌に造詣が深く、フランスをはじめとした海外の詩や文芸にも通じ、言語の壁をこえた国内外の詩人との「連詩」という新たな詩の境地も開拓しています。
本展では、大岡文学の核となる「詩」の業績を、詩稿、創作ノートなど貴重な資料で掘り下げます。また、詩歌鑑賞の魅力を広めた名著『折々のうた』や同時代芸術家との交流を物語る資料・作品などで多彩な活動を紹介します。
イベント情報
|1| 平成27年度・連続講座 「大岡信の詩と真実」
大岡信氏の詩にはじめて出会ったのは、「春のために」と題する青春賛歌でした。大学の文学サークルの機関紙に発表された作品でした。三十行ほどの詩句の言葉がすべて瑞々しい爽やかな感性の香気を放ち、生きる希望と愛をみなぎらせた詩想が鮮烈に躍動するのに、驚異の眼を見張る思いがしました。ただ敗戦から五年か六年、朝鮮戦争の時期でもあり、溌溂 (はつらつ) たる賛歌の背景に、不安な時代へのまなざしがひそかに研ぎすまされているのが、感じとれたことも言いそえなければなりません。
それ以来、大岡氏が年とともに、詩想の領域をひろげ詩法を深めてゆく道程を、近距離から見つづけてきました。大岡氏の古典詩歌への造詣、シュールレアリスムなど西欧の詩への理解、造型芸術の美の探求はよく知られている通りですが、それが詩作の養分になっている事実も見落とせません。さらにまた、簡潔な随想の形式で、長年にわたって、詩歌の魅力をひろく一般の読者に説きあかした『折々のうた』は、詩人の仕事として画期的なものでした。
私ども世田谷文学館では、大岡氏の詩歌における豊富で多面的な業績の精髄をあらためて考える機会を作るべく、大岡氏の詩業に親しんでこられた方々にご出講をお願いし、連続講座を開催することにいたしました。多くの方々のご来館、ご聴講を待望しております。
世田谷文学館館長 菅野昭正

第1回 10月10日(土)
高橋順子 (詩人)
高橋順子氏ははじめ編集者として、大岡氏の仕事に関わった方であり、その当時から大岡氏の詩業に深い関心を抱いておられたであろうと推察されます。そしてご自身が詩人として活動されるようになってから、今度は詩人の自覚的な視線が向けられることになったのではないか。女性詩人が大岡氏の詩作品をどう読むのか、これはまたとない機会となるにちがいありません。

第2回 10月17日(土)
野村喜和夫 (詩人)
戦後詩という用語は戦後に書かれた詩を指すのではなく、戦後社会をめぐる詩的思考を結晶させた詩のことです。野村喜和夫氏は変動する新しい時代の気流のなかで、戦後詩にたいする批判と共感を意識的に創造の動力に組みこんできた詩人です。大岡氏についても、そういう詩人にしてはじめて感知できるものが多々あるはずで、この機会にそれを存分に披露して頂ければと願っています。

第3回 10月24日(土)
谷川俊太郎 (詩人)+三浦雅士 (評論家) 対談
谷川俊太郎氏は大岡氏とほぼ同じ時期に、敗戦後の新しい世代を代表する詩人として登場されました。爾来 (じらい)、同じ雑誌で活動するなど、緊密な相互理解の絆を結びつづけてこられました。詩人・大岡信の業績の裏表を、初期から円熟期に至るまで知悉 (ちしつ) しておられる谷川氏は、右に出る者のない最高の知己という言葉がふさわしい方です。
三浦雅士氏はまず編集者として、大岡氏と接することになったと聞いています。執筆者の仕事の特徴を的確に洞察し、協力を惜しまぬ優れた編集者でしたから、大岡氏から深い信頼を寄せられたに違いありませんし、また大岡氏の業績全般にわたって、行きとどいた考察を積みかさねてこられたはずです。谷川氏と三浦氏、それぞれ異なる立場で、大岡氏にたいし厚い親炙 (しんしゃ) を惜しまれなかったお二人の対談から、貴重な教示の数々が汲みとれるものと確信しております。

第4回 10月31日(土)
長谷川櫂 (俳人)
長谷川櫂氏は申すまでもなく、俳句の世界で現在もっとも旺盛な活躍を注目されている俳人です。また『折々のうた』を引きつぐ詩歌随想を「四季」と題して、新聞紙上に毎日書きつがれています。そこにも見てとれるように、古典詩歌にも透徹した見識をそなえておられ、『折々のうた』が築きあげた大きな功績を解明することにかけて、余人をもって代えがたい最適の方であるはずです。

第5回 11月1日(日)
吉増剛造 (詩人)
吉増剛造氏にとって、大岡信氏はどういう存在であったか―これは大いに興味ぶかい問題です。というのも、後続する世代に属する吉増氏にとって、大岡氏は敬愛する先行詩人であると同時に、乗りこえるべき障壁でもあったと考えられるからです。大岡氏の何をどう受けつぎ、何をどう乗りこえようとしたのか、そのあたりの記憶と現在をぜひ承りたいと思っております。

【会場】 1階文学サロン
【時間】 14時00分~15時30分
【定員】 事前申込 各回150名
【対象】 一般
【参加費】 各回500円
【協賛】 東京中央農業協同組合

|2| 朗読会「ことばの海へ 大岡信を読む」
11月7日(土)
「折々のうた」や代表的な詩のほか、ラジオドラマ、連詩の試みも取り上げます。
【会場】 1階文学サロン
【出演】 声を楽しむ朗読会
【司会・解説】 福島勝則 (多摩美術大学名誉教授)
【時間】 13時30分~16時15分 (途中休憩あり)
【定員】 当日先着100名
【対象】 一般
【参加費】 無料

|3| コトバのミュージアム「こどもワークショップ」
11月15日(日)
「詩」ってむずかしいのかな? ことばであそびながら詩のなかへ“たんけん”しに行こう!
【会場】 1階文学サロン
【出演】 石津ちひろ (詩人)
【時間】 14時00分~16時00分
【定員】 事前申込100名(未就学児・付き添いの大人も参加可)
【対象】 小・中学生
【参加費】 無料
【助成】 平成27年度文化庁 地域の核となる美術館・歴史博物館支援事業

【関連催事 1・3の申込み方法】
*開催日の各2週間前(必着)までに 往復ハガキにて ①講座名・開催日 ②参加者全員の氏名・住所・電話番号 ③返信面に代表者の氏名・住所 を明記し、世田谷文学館「大岡展催事」係までお申込みください。応募者多数の場合は抽選となります。結果は締切後、返信ハガキでお知らせします。
*1講座につき1通ずつ。連続講座1で5講座全てをお申し込みの方は、9月26日(必着)までに全講座受講の旨を明記のうえ、1枚の往復ハガキでお申込みいただけます。2人まで連名可。
*子ども講座3は、付き添いの大人含めて何人でも連名記入可。
〒157-0062 世田谷区南烏山1-10-10
世田谷文学館「大岡展催事」係
会場住所
〒157-0062
東京都世田谷区南烏山1-10-10
交通案内
京王線 芦花公園駅 南口から徒歩5分

小田急線 千歳船橋駅から
京王バス(「千歳烏山駅」行) 「芦花恒春園」下車 徒歩5分
ホームページ
https://www.setabun.or.jp/
東京都世田谷区南烏山1-10-10
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