刈谷市は1950(昭和25)年に誕生し、今年で65周年を迎えました。そこで今回の常設展では、刈谷出身の童画家、河目悌二(1889~1958年)が同時代に描いた幼年雑誌の原画などを紹介します。
大正期から第二次大戦後には、芸術性の高い子ども向け雑誌が数多く誕生しました。そのような時代に、河目は、小林商店(現・ライオン株式会社)に勤め、子ども用歯磨きの広告などを手がける傍らで、子ども向け雑誌『トモダチ』『観察絵本キンダーブック』『子供之友』などで挿絵を描いて活躍し、戦後は『こどもクラブ』や『世界名作童話全集』で筆をとり、殺伐とした時世に穏やかで温かい作品を送り続けました。
的確なデッサンと、水彩や油彩による柔らかな色彩は、親しみやすい印象を与えます。描かれた子どもたちの遊びや年中行事の様子を通して、市制施行当時の子どもたちの生活を振り返ってみてください。現在の暮らしとの違いが感じられるはずです。