今年度の東山魁夷館は年間テーマを「魁夷をよむ」として、各展毎に東山魁夷の代表的な著作を取り上げながら、その関連作品を中心にご紹介いたします。今期は、1967年(昭和42年)に刊行された『風景との対話』
を取り上げます。「私の制作と旅の生活を通じて、心の内奥の世界の遍歴を記録したのが、この書である。」と自ら言うように、本書では国内外を訪れた旅やひとつひとつの作品の成立ちについて語られています。本展では、『風景との対話』が刊行される直前に東山が取り組んでいた京洛四季のシリーズを中心に、東山が印象的な風景として語った《道》や《たにま》といった、日展出品作のスケッチや下絵など、主に冬の景色を描いた作品を展示します。
東山が描いた風景を通して、彼が見た美しい自然の世界をご鑑賞ください。