ていねいな暮らしと道具展では、市民のみなさんから寄贈された昔の道具から人々の知恵や生活の苦労などを知ります。
今回は、新たに寄贈いただいた民俗資料と美濃加茂に伝わる伝説や世間話に登場する民俗資料を展示します。
『美濃加茂市史―民俗編―』には、伝説が64譚、世間話が30譚おさめられています。「伝説」は、特定の場所やもの(山、川、木、石など)や人物について言い伝えられた話であり、少なくとも語り伝えた人には信じられていたものです。
「世間話」というのは、話者自身が実際に経験した話、あるいはそれを聞き伝えた話のことで、実在する人物やものに関する話のほか、世の中の噂になった話もこれに含みます。身近な内容が多いゆえ、より実感をともなうのが特徴です。
地域に伝わるこのような言い伝えを聞くことは、暮らしの中の善悪や自然に対する畏れを学ぶ場であったと思います。本展では、地域に伝わる伝説や世間話にふれていただき、かつての暮らしの空気を感じていただければと思います。