タイトル等
Kyoto Seika Univ. Textile Works
染織のメチエシリーズ vol.3 ステッチ
ライン
会場
SPACE5 MARONIE
会期
2015-12-01~2015-12-06
開催時間
12:00 PM~7:00 PM
日 6:00 PM
概要
メチエシリーズ三回目は、「縫い(ステッチ)」です・デズモンド・モリスの人類と芸術の300万年」によると「縫い」の始まりは、先史時代に遡り、動物の皮を縫いつなげて衣服をつくった事にあるといいます。刺繍や貝殻などを縫い留めたり、繋げたりする装飾的な行為も旧石器時代には既に行われ、呪術的な生活と装飾の切り離せない関係が伺えます。では私たち、現代のアート表現としての「ステッチ」は、どこに向かうのでしょうか? 布を糸で縫う行為で露にされる繊維の物質性、テクスチャーによる触覚性、強い実在感を意識すること。その辺りに「縫い」の今日的な意味がありそうです。展覧会名を「らいん(line)」としました。line は糸、描線、しわ、などの他に台詞、詩などの意味があります。「ライン」の意味は更に、主義、傾向、系列と続きます。様々なタイプの「ステッチ」によって生まれた「ステッチ系」を、この展覧会を機に育てて行きたいと思っています。
中川裕孝 (京都精華大学准教授)

コンテンポラリーな『ステッチ』の誕生
京都精華大芸術学部素材表現学科テキスタイルコースが企画するメチエシリーズの第三段は「ステッチ」である。これまで第一回目「捺染」 第二回目「蝋染」を開催してきた。布を染めることで成立した「捺染」や「蝋染」とは異なる技法の「ステッチ」とは何なのか? 端的にいうと縫製、縫い目のことだ。縫い針、刺繍針などの針類やミシンを道具として、糸、紐、衣類を素材として作られる線、面を構成する技法。針を用いるニードルワークの基礎。縫い、刺し、かがり、まつり、編み、結び、組みなどが含まれる。 染め織りというテキスタイルの伝統から逸脱する「ステッチ」は、コンテンポラリーアートの方法論の王道でもある。かつてのアバンギャルド・アート(前衛美術)の精神は、古典的な伝統からの逸脱の歴史ともいえるからだ。さて、普段の暮らしの中で目にする代表的な「ステッチ」に、ブルージーンズがある。藍色に染められたデニムにオレンジ色の太い糸で縫い合わされた硬質な感じが強い信頼と安心感を生み出す。また鞄や靴そして財布などの革製品にも「ステッチ」が活かされ美しい手技を披露している。素材表現学科テキスタイルコースとして、さまざまな素材をつなぎ止める「ステッチ」という技法は、イメージをコラージュし素材をパッチワークする。その意味と意義とは、コンテンポラリーアートと同様に時代精神を紡ぎ出し、つなぎ止めることにある。「ステッチ」は時代をコラージュし、時間をつなぎ止める芸術表現のひとつといえる。異質な素材と素材をつなぎ止めることが可能な「ステッチ」には、あらたな次元と空間を生み出すチカラを持つと確信する。
加藤義夫 (キュレーター / 美術評論家)
会場住所
〒604-8027
京都府京都市中京区河原町通四条上ル塩屋町332
交通案内
[最寄り駅] 阪急河原町駅より徒歩5分
ホームページ
http://www.gallery-maronie.com
京都府京都市中京区河原町通四条上ル塩屋町332
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