本展覧会では、奈義町「書のまちづくり」構想の中で収集された作品の中から、書と陶芸作品約20点を展観していくものです。
書作品は、その技法を継承しながら、単に古典の再現に留まらず、新しい芸術観に基づいて表現された前衛書です。形式美から解放され新しい美的造形を打ち立てるため「形」「線」「墨色」そして「余白」が生かされ、独自の美しさが表現されています。
また、浅倉五十吉による陶芸作品は、長い歴史と伝統を誇る九谷焼の流れをベースに、雄大な自然をテーマにした色絵が大胆に施され、現代感覚を存分に生かした独自の世界観を持ち合わせたものです。
本展では、書本来の文字を読み取っていく見方から、絵画を眺めるような自由なスタンスをベースに伝統的な陶芸との展示をとおして観る人に内なる対話を促します。
作品が静かに語りかけるメッセージに耳を傾けること。それは作品への崇敬と愛情あふれる、広くて深い対話となっていくことでしょう。