遠くて近い、アナタに愛を。
歳をとること。からだの自由がきかなくなること。
「美術」はそうした現実とは無縁のものと考える人もいるかもしれません。
…いいえ。老いや障がい、介護、壊れていくコミュニティ、そうしたさまざまな社会の現実に対峙することも、アートの仕事です。遠くかけ離れていると思われるものが、実はアナタのすぐとなりにあって、それゆえに気づかないでいることもあります。アートは、わたしたちが普段そばにあるのに気づかないでいる、わたしたちの世界そのものに光を当てて映し出す、鏡のようなものです。
なにかと、だれかと、つながるための手段、それが表現の始まり。日常の生活の中から、日々生まれてくるものをすくいあげながら、「他者」という、本当は無限に遠いかもしれない存在に、手をさしのべようとする、アートという名の挑戦をご覧ください。