サム・フランシス(1923-1994)は、20世紀後半を華やかに彩ったアメリカ抽象表現主義の作家ですが、1960~70年代に日本の詩人や作家、評論家など文化人たちと深い関わりを持った人物としても知られ、水墨画を思わせるハネや滲み、余白を効果的に残した大画面で日本人の心をも魅了してきました。本展は200点以上のサム・フランシス作品を所蔵する出光美術館のコレクションから幅8メートルに及ぶ巨大作品や、これまで展示される機会のなかった秘蔵作品を含む約60点を紹介し、初期から晩年まで50年にわたる作品制作を展観する回顧展です。