タイトル等
【天野画廊・ギャラリー白/同時開催】
山中嘉一展
―絵画・版画・ガラス絵―
会場
天野画廊 ギャラリー白
会期
2015-11-23~2015-11-28
開催時間
11:00~19:00
(月―金) 11:00―19:00 (土) 11:00―17:00
概要
「水平・垂直と、重力」
料理人はたくさんの「作品」を作るが、いつもその場で消費される。50年・60年作り続けても、作品は現物として残らない。改めて考えてみたらそれはすごいことだと思う。
造形作家はそうはいかない。作品がたまる。かと言って作ったその勢いで壊すこともできない。
料理は旬が短いが、造形作品の旬は長い。いや、旬が長いというか旬がいつなのか不明である。今かもしれないし10年100年先かもしれない。あるいは、すでに旬が終わっているのかもしれない。怖い話だ。作った自分がいつまでもそのつど守ってやりたいがそうはいかず、いずれ作品は独りで歩いていかなければならない。
山中先生が他界されてから、作品を時間軸で見る機会を何度か得た。おびただしい数の作品に接していると、逐一それらについて質問したくなる。山中嘉一という作家を本人の解説で辿りたいが、今となっては叶わない。残念だ。
個展の3ヶ月前には作品は完成していて、綿密な展示計画まできちんと立てている。そういう人だった。版画等の作品管理にしても丁寧に分類されどこに何があり、何がどれだけ残っているかというようなことまで整理できる几帳面で神経質な作家だった。
そんな性格が絵になるわけでもないが、作品の中には水平・垂直の狂いのないストイックな構図が多く用いられる。矩形が生み出す天地感覚から生まれる「重力」感も作品の特徴ではないだろうか。矩形のなかの水平・垂直が生む空間のなかで、身体に重力を感じながら制作を続ける・・・、そういういわば触覚的な作家だったと僕は思っている。
晩年、杖をついて歩かれる先生と駅までご一緒したことがある。歩きながら「杖をつくと道路のカマボコ形がよくわかる」とおっしゃったことを思い出す。杖の長さと身体、水平・垂直の感覚が道路の曲面を察知させたのである。取るに足らないそんなことを、山中嘉一の絵画空間とダブらせながら思い出した。
(造形作家・日下部一司)
会場住所
〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル2F
交通案内
●JR大阪駅/地下鉄梅田駅より約15分
●京阪/地下鉄淀屋橋駅1番出口より約10分
●地下鉄南森町駅2番出口より約10分
●京阪なにわ橋駅1番出口より約5分
ホームページ
http://galleryhaku.com/
会場問合せ先
06-6363-0493 art@galleryhaku.com
大阪府大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル2F
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