田上義也(栃木県生まれ/1899-1991)は、フランク・ロイド・ライトに建築を学んだのち、1923年に北海道に渡り、北国の風土に根ざした数多くの建築を手がけました。札幌の街にも札幌北一条教会や旧小熊邸(現ろいず珈琲館)など、数々の名建築を残しています。
田上は彫刻家・本郷新(1905-1980)とも親交が深く、本郷の遺志を受けて札幌彫刻美術館本館(1981年開館)の設計を手がけ、初代理事長としてその運営にも携わっています。
複数の箱を組み合わせた直線的で端正な外観、変化に富んだ内部空間をもつこの建築は、彫刻芸術のためのステージとして30年余りの時を刻んできました。
本展では、当館の建築の魅力を味わっていただくとともに、建築図面や模型、スケッチ、写真等の資料を通して、田上義也と本郷新という二人の芸術家の交流とその成果をご紹介します。