秋山庄太郎(1920~2003)は、戦後、女性のさりげない姿の中にある「美」を写し出したポートレートで「婦人科」と称されるほど幅広い人気を博し、わが国写真界で最も注目される写真家となりました。
1960年、新たな写真芸術の探求のために渡欧。この渡欧中、日常の生活や様々な文化に根ざした「花」に興味を抱き、1965年以降、ライフワークとして「花」を対象とした新たな表現に挑みました。1990年には、70歳を機に「花」を中心に構成した作品群「365日シリーズ」に着手。1997年まで、6作を次々に発表しました。
今回は、その3作目にあたる《花逍遥―366日》(1993年)から、冬から夏に秋山が捉えた「花」の「美」を紹介します。