画家ジョーゼフ・アルバースは1888年にドイツのボットロップに生まれましたが、バウハウス(ドイツの造形学校:1919-33)での造形理論をアメリカに定着させた優れた美術教育者としても知られています。彼は1949年には代表的な〈正方形讃歌〉シリーズの制作を始め、厳格に調整された色彩の相互作用によって収縮や膨張・前進や後退といったさまざまな視覚効果が生まれることを示しました。
アルバースが亡くなる4年前に感性したシルクスクリーンによる版画集「フォーミュレーション・アーティキュレーション」(1972)は彼の色彩と幾何学的な構成の研究の集大成ともいえましょう。この展覧会は、その全127点の作品を彼のメッセージとともに一堂に紹介するまたとない機会です。