諏訪市を代表する金工家・三村昌三郎(1885-1968)、昌弘(1915-1998)親子。社寺建築で知られる立川家の系譜にあり、彫金家の父のもと生まれ、東京の鍛金家・大堀正次(生没年不詳)に師事して鍛金家となった昌三郎は、社寺建築の装飾金具や金属製品の製作、香炉や花瓶等芸術的側面の高い作品の制作など、多彩な仕事をこなしてきました。また、その子昌弘は、茨城県出身の彫金家・介川芳秀(1898-1975)に師事し彫金家となり、父昌三郎が鍛金で成形した花瓶に、彫金装飾を施すという親子合作の制作スタイルが生まれ、日展にて特選を受賞しています。
本展では、昌三郎生誕一三〇年、昌弘生誕一〇〇年を記念して、三村親子の金工作品を下絵などの資料や関連作家の作品とともに展示します。親子であり、同時に師弟であった三村親子にまつわる金工作品の数々をご覧ください。