北大路魯山人(1883~1959)は、若いころから書、篆刻にすぐれた天分を発揮し、やがて陶芸、絵画、料理研究と、さまざまな分野に情熱をかたむけました。生来の優れた味覚を実践に移して東京永田町に「星岡茶寮」を開いた後、茶寮で用いる陶磁器の制作をみずから手がけました。美濃、備前、染付、赤絵などに新奇を盛り込み、斬新豪放でありながら用に徹する作品は、目利きといわれる多くの人々に評価されてきました。
本展は、アメリカ・サンディエゴから里帰りした秘蔵の名品「カワシマ・コレクション」を核として構成されます。カワシマ氏が魯山人の友人から譲り受けたという、ほぼ未使用の美しい状態の陶磁器をはじめとする陶芸作品を約90点展示し、魯山人芸術の評価と「おもてなし」の美学を紹介します
あわせて、会期中の10月上旬に高岡のものづくりを市内各所で紹介する「高岡クラフト市場街」と連携し、魯山人の心にも通じる高岡の「ものづくり」と「おもてなし」の世界へと、鑑賞者を繋いでいきます。