誰もがその名を知る天才画家、パブロ・ピカソ(1881-1973)。
スペイン、マラガに生まれた彼は、バルセロナなどの美術学校で伝統的な絵画技法を習得。わずか16歳の時に《科学と慈愛》で受賞します。1901年頃、パリに出ると叙情的な「青の時代」がはじまり、1907年《アヴィニョンの娘たち》を制作し、革新的なキュビスムで世界を瞠目させます。かと思えば、新古典主義、あるいはシュルレアリスムを取り入れた作品を描くなど、つねに自己の画風を刷新しながら、人生や社会を見つめて旺盛に制作を続け、戦争の悲劇を主題とした大作《ゲルニカ》のような人々の記憶に残る作品を残しました。
本展では、はじめてこの巨匠の作品を鑑賞する方にも理解しやすいように、その作品を、初期から晩年まで「1 青の時代、2 キュビスムと静物画、3 家族への愛、4 男と女のいる風景、5 スペイン賛歌」の5つのテーマに分けて構成するものです。国内の主要な美術館などから集まった約90点を展示します。