長野県上田市の郊外に建つ戦没画学生慰霊美術館「無言館」。
ここには画家を志しながらも、太平洋戦争で若くして命を落とした画学生たちの遺作や遺品が展示・保存されています。
このたび、かわら美術館では、この無言館の協力のもと、同館のコレクションを紹介する展覧会を開催いたします。
20世紀は、改めて振り返れば、人類の長い歴史の中でも「戦争の世紀」であったと言えます。
日露戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦、そして冷戦期には、朝鮮戦争、ベトナム戦争が発生しました。
冷戦後には湾岸戦争と、絶え間ない殺戮を20世紀は見続けてきました。
しかも今なお、この地球上には紛争は絶えません。
とりわけ第二次世界大戦(太平洋戦争)ほどわれわれ日本人のこころに「深い傷」を残したものはないでしょう。しかしながら、1945年の敗戦から50数年が過ぎて、「戦争を知らない大人たちとそのこどもたち」にとって戦争は、はるかに遠いものとなっています。
本展は、新世紀を迎え、今一度、真摯に「戦争」あるいは「平和」「生命(いのち)」に思いをいたす機会を持っていただくために企画した展覧会であり、無言館のコレクションの中から絵画約100点を展示いたします。