世界中の人々に愛読されている「大草原の小さな家」シリーズは、19世紀後半、アメリカの大自然を舞台に、著者であるローラ・インガルス・ワイルダーとその家族が送った開拓生活をいきいきと描写したものです。この物語に一層の魅力を与えたのが、画家ガース・ウィリアムズ(1992-1996年)の挿絵でした。ガース・ウィリアムズは制作にあたって、ワイルダー夫人のもとを訪れたり、インガルス一家ゆかりの地をくまなく旅して回りました。10年の歳月をかけて仕上げられた挿絵は、やさしく軽快なタッチを用いながら少女ローラをとりまく当時の生活の様子を見事に描き出しています。
本展では第一部として「大草原の小さな家」シリーズの挿絵原画約70点を、スケッチ、資料とあわせてご覧いただきます。
また、ガース・ウィリアムズは、このほかにもたくさんの優れた作品を手がけました。そこには愛らしい表情をした動物たちが次々と登場し、子どもたちの心をとりこにしています。第二部ではわが国でも人気の高い絵本「しろいうさぎとくろいうさぎ」「シャーロットのおくりもの」をはじめ、日本未発表の作品を含めた約80点の貴重な原画を一堂に公開し、心あたたまるガース・ウィリアムズの作品の数々をお楽しみいただきます。