トロイの発掘で有名なシュリーマン(1822-1890)は、古代ギリシアの叙事詩に描かれている伝説の古代都市トロイの実在を信じ、逆境に耐えながらもトロイの発見のために商人として財を築き、50歳になってついにトロイを「発見」したと伝えられています。このサクセスストーリーはいまも世界中の人々に夢を与えています。シュリーマンはトロイの他、ミケーネやティリンスなどの世界遺産遺跡も発掘し、ギリシア考古学の父とも称されています。1885-86年に出版されたティリンス遺跡(前14-12世紀)の報告書図版原画の大部分が天理大学附属天理参考館に所蔵されていることが近年明らかになりました。そこでこの原画の公開を中心に、トロイ戦争を描いたホメロスの叙事詩の世界、シュリーマンの生涯と虚実、古代ギリシア文化について写真やイラスト、考古・美術資料で紹介します。