音から導かれる色
本展では、前橋市所蔵作品のみならず高崎市美術館、大川美術館、県内個人コレクションの作品群の中から視覚のみならず聴覚へも訴えかけるような色彩豊かな作品を中心に展示いたします。19世紀後半以降、現実を写実的に表現するという絵画の側面は次第にその役割を失っていきます。そのような状況の中で近代の画家たちはまったく新しい絵画表現を模索していきます。なかでも、クレーやカンディンスキーのような画家たちは音楽における音の調和を美術の分野において目指すことにより、モチーフが溶け合い色彩のみによる表現に辿りつきます。このような色彩による絵画の流れは、瑛九やオノサトトシノブのような20世紀を代表する日本の前衛作家たちにも大きな影響を与えます。
県内コレクションを通じて、20世紀美術の最大の想像力である色彩のリズミカルな世界へ皆さまを誘います。
絵画×音楽
本展では、2013年に開催された「プレイベント前橋市収蔵美術展 はじまる道」の関連イベント「絵画×音楽」を通じて生まれた野村誠作曲の《ピアノのための9つの小品「アーツ前橋」》を初めて公開します。ヘッドフォンから流れる音楽を聴きながら絵画を鑑賞することで、視覚と聴覚を駆使した新しい作品鑑賞を提案します。