小さな頃より絵が好きであった私ですが、今、自分の版画で芸術論など云々するような大それた事は一度も考えた事がありません。
私が中学生の頃、先生がよく言っていた言葉に「おまえ達は大きくなったら、必ず家の中で出来るものと、外で出来るものとの二つの趣味を持て」とあり、この言葉は不思議と心の中に残っていました。
良き師を得ていたことも大きく影響していますが、内なる版画と外でのテニスに出合い、傘寿を超えた今も時間を持て余すことなく過ごせている事に感謝しています。
版画を始めたのは、50年も前になりますが、今市工業高校で、同じ職員室であった関係もあり、小塚博先生から彫刻・版画の手ほどきを頂いたのがきっかけとなりました。小塚先生は美術団体新構造社の会員であり、川上澄生先生の鈍刀会の会員でもありました。
幸いにも、日光の自然環境に恵まれた生活ですが、版画にて表現するとなると能力の無い私は、素直に「見たまま・感じたまま」を作品にしていこうと考えています。
これからも己を知って終点不明の人生を、悔いの無いよう精一杯生きて行きたいと願っています。
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