桃山時代の備前焼、なかでも「茶の湯」にまつわる「名品」と呼ばれる作品を特集した展覧会を開催します。
▶ 第一章 桃山時代の壺・甕・擂鉢
備前では、鎌倉時代から室町時代まで壺・甕・擂鉢といった日々の生活で使う容器を集中的に生産してきました・桃山時代から「茶の湯」のための作品の制作が増えますが、その割合は非常に小さなものでした。桃山時代の年銘が記された甕や壺を中心に、備前焼の当時のおもな生産品をご紹介します。
▶ 第二章 「茶の湯」の世界――上田宗箇を通して――
上田宗箇は、桃山時代を代表する武家茶人です。上田宗箇が当時の「茶の湯」について語ったことをまとめた『宗箇様御聞書』と呼ばれる文献には、宗箇の流儀などとともに千利休や古田織部の茶碗の好みについても記録がありました。文献資料に基づきながら、「茶の湯」のためにつくられた陶磁器を見ていきます。
▶ 第三章 「只今」から考える
桃山時代の造形や焼成について深く考えるため、現代作家十五人の方に、解釈を加えた備前焼茶碗「只今」の制作をお願いしました。また、「只今」を3Dカメラで撮影し、様々な素材で複製品を作成しました。完成した作品を作者の見解とともにご紹介します。「只今」は同時代に美濃などで制作された茶碗とともに展示します。
▶ 第四章 「桃山備前」の名品
「破格」とも表現される「桃山備前」の名品を、一堂に集めてご紹介します。
なお、備前焼の特別展を当館で開催するのは昭和五十四年以来、三十六年振りのこととなります。