本展覧会はアメリカ・カリフォルニア州ハンフォードにあるクラーク財団が所蔵する日本美術コレクションを国内で初めて本格的に公開するものです。
本コレクションは乳牛・肉牛の遺伝子販売企業の経営者ウィラード・G・クラーク氏によって収集されました。コレクションを代表する鎌倉時代の「木造大威徳明王像」や南北朝時代の「釈迦十六羅漢図」などの仏像美術品に加え、室町時代から明治時代初期の日本を代表する絵師や画派が描いたジャンルに偏りのないさまざまな作品で構成されています。これらの作品からはクラーク氏の自然美に対する愛着、異国の宗教美術に対する真摯な眼差し、庶民生活への温かな共感などがうかがえます。
展覧会ではコレクションの基幹をなす「シリアス」と「ユーモア」という二つの切り口で作品を紹介します。日本美術の優れた作品でありながら、アメリカに渡った作品を再び国内で鑑賞することで、その芸術性の高さとともに日本人が忘れてしまった伝統美術の楽しみ方を再認識できる機会となるでしょう。