タイトル等
常磐線東京駅乗り入れ記念
絵画と写真で巡る 大鉄道展
会場
笠間日動美術館
企画展示館
会期
2015-03-07~2015-05-24
休催日
毎週月曜日 (但し5月4日は開館、5月7日は休館)
開催時間
午前9時30分~午後5時
入館受付は午後4時30分まで
観覧料
大人 1000円、大学・高校生 700円、中学・小学生 300円、65歳以上 800円
春風萬里荘との共通券 大人 1400円、大学・高校生 900円、中学・小学生 400円、65歳以上 1100円
20名以上の団体は各200円割引、但し中学・小学生のみ100円割引
障害者手帳をお持ちの方、その同伴者1名は各半額割引
主催者
公益財団法人 日動美術財団 笠間日動美術館
協賛・協力等
共催:東日本旅客鉄道株式会社水戸支社
特別協力:鉄道博物館/東京ステーションギャラリー/ソニーマーケティング株式会社/M&M Color
後援:茨城県/茨城県教育委員会/笠間市/笠間市教育委員会/NHK水戸放送局/茨城放送/茨城新聞社/朝日新聞水戸総局/産経新聞水戸支局/東京新聞水戸支局/毎日新聞水戸支局/読売新聞水戸支局
概要
19世紀初頭に実用化された蒸気機関車による鉄道は、日本では明治初期に走り出しました。150年近く経った現在、鉄道網は日本の隅々まで広がり車体も飛躍的に進化しています。鉄道は私たちにとって無くてはならない生活の一部であり、また憩いをもたらしてくれる乗り物と言えるでしょう。
鉄道は様々な美術作品にも登場し、私たちを楽しませてくれます。蒸気機関車を描いた錦絵は明治日本の近代化を伝え、絵画には画家それぞれの鉄道への思いを見ることができます。また、カメラがとらえた故郷の駅舎は遠い日の記憶を呼び起こしてくれます。
この度は、常磐線の東京駅乗り入れを記念し、明治から現代までの油彩画や水彩画、錦絵、資料などに加え、人気鉄道写真家・中井精也の作品をご覧いただきます。
鉄道は単なる移動手段や貨物の運搬という役割を超え、様々な分岐をはさみながら夢を繋いでいます。
鑑賞者のそれぞれが記憶のレールをたどり、また鉄道の未来をご想像いただけましたら幸いです。

Ⅰ―1 鉄道今昔物語 (会期中に3回展示替えを行います)
March 3/7―29 文明開化から昭和まで日本鉄道史を顧みる
鉄道の歴史を顧みる試みとして、鉄道と時を同じくして台頭してきた明治洋画と石版画を展示いたします。五姓田義松の油彩画「駿河湾風景」、そして単色刷りの中に部分的な手彩色が際立ち、錦絵と異なる魅力を持つ石版画の世界を是非ご堪能ください。また、全国の駅舎を描き続けた国鉄職員、森惣介の水彩作品と共に昭和後期の東京駅から高萩駅までを訪ねます。懐かしい景観を思い出しながら、駅舎建築の妙味をお楽しみください。

April 4/1―30 最後の浮世絵師 小林清親と鉄道七十年事業
「最後の浮世絵師」と呼ばれ、光線画の生みの親である小林清親は、文明開化によって近代化していく東京を、光の細微な加減によって、どこか江戸の匂いがするノスタルジックな画面に捉えました。鉄道が開業70年を迎え、記念事業として、伊東深水は《鉄道七十年の今昔「七十年前の新橋駅」》を描きました。鉄道の走り出した時代と、鉄道が生活の一部となった時代をコラボレーションでご紹介します。

May 5/1―24 鉄道×歌川派
江戸後期から幕末にかけて隆盛した歌川派。人々の嗜好や流行を追い続けた彼らに明治時代がもたらしたものは、散切り頭とステンション、洋服に陸蒸気など、目まぐるしく変わる東京でした。
舶来の赤色を多用し、「赤絵」と呼ばれる華やかな開化絵を描いた三代広重、鉄道開業前にも関わらず、世相を伝える錦絵の役割を懸命に果たそうと、伝聞や外国の書物などから得た情報で実物とは大きく異なる機関車を描いた芳虎など、彼ら歌川派の作品を中心に、当時の人々の中でどれだけ鉄道が関心を引いていたか探ります。

Ⅰ-2 鉄道あれこれ
明治時代に描かれた錦絵や石版画は、当時の鉄道がどのような受け止め方をされていたか探る上で貴重な資料となりますが、鉄道を物語るのは、車両などを描いたものだけに限られません。岡田三郎助《野菊と薔薇》の画面には、一切鉄道が出て来ませんが、この作品は、1924年に摂政宮(後の昭和天皇)ご乗用として製造された12号御料車の御座所に展示されており、鉄道史上を飾る逸品と言えるでしょう。
本展では、カンヴァスに描かれた鉄道だけでなく、図面に描かれた車両や鉄橋なども登場します。
明治初期などに描かれた製図図面は、淡い色彩が施されることもあり、設計図本来の役割だけではなく、一つの作品にも見えてきます。また、透視図として描かれる図面は、内部の構造を理解した者のみに描くことのできるものであり、精緻な美しさすら感じられます。
その他、明治維新の翌年に、日本で初めて施設された新橋―横浜間を結ぶ官営鉄道のレールや、昭和期の切符や改札鋏、制服や駅時刻表なども展示します。また、本物と見間違うほど精巧なジオラマを1階、2階両会場にてお楽しみいただけます。

Ⅱ 鉄道 画家たちのオマージュ
文明開化の象徴でもある蒸気機関車は、メディアとしての役割も担っていた浮世絵師たちにとって、絶好のモチーフとなり、数々の名作が生み出されました。しかし、それも今は昔、現代の画家たちは、車両の持つ重厚感や、駅舎に広がる出会いや別れの空気、故郷に繋がる線路が呼び起こす郷愁や憧憬など、各々が持つ鉄道への思いを描き続けています。第2章では、日本のゴッホと呼ばれた放浪の画家・長谷川利行をはじめ、様々な空間・時間を一つの画面に定着させ神秘的な画面を構築し、2014年に紫綬褒章を受章した遠藤彰子、リアリズムに郷愁を潜ませる木津文哉など、鉄道に魅せられた画家たちの作品をご覧いただきます。

Ⅲ 中井精也写真展 ゆる鉄紀行
僕の代表作である「ゆる鉄」は、決してゆるい品質の鉄道写真ではありません(笑)。ローカル線に乗っているときに感じる「ゆる~い空気感」や、鉄道だけが持つ「旅情」をテーマにした作品です。線路わきで出会った、ゆる~い風景や人と鉄道が織りなす、思わず笑顔になるような作品たちを、ぜひご覧ください。
(中井精也)
イベント情報
1. 鉄道写真家中井精也 講演会&サイン会
3月7日(土)、5月2日(土) 各日14:00~

2. 鉄道写真家中井精也 乗車イベント
4月11日(土) 特別列車貸切 (定員130名)
お問い合わせ先:(株)ワールドファンツアーズ
Tel:03-6205-5251 (担当:市村)

3. 学芸員によるギャラリートーク (絵画)
4月18日(土)、5月23日(土) 各日14:00~

4. プチ・コンサート (各日14:00より)
4月25日(土):「レイルーユーフォニアム2本の響き」
演奏:根本香織
5月3日(日・祝):「リコーダーで巡る 日本の歌・世界の歌」
演奏:ゆるリコ・ファミリーオ

5. 夢境庵茶会 春風萬里荘茶室
4月11日(土) 10:00~16:00 席主:原田勝子 (表千家)
ホームページ
http://www.nichido-museum.or.jp/exhibition_next.html
会場住所
〒309-1611
茨城県笠間市笠間978-4
交通案内
[JR利用]
◎常磐線 友部駅北口より『かさま観光周遊バス』(9:55/10:50/11:50発 / 100円) または市内循環バスで約15分。「日動美術館入り口」下車。
◎水戸線 笠間駅より徒歩約20分

[自動車利用]
◎常磐道 友部JCT経由 北関東道 友部ICより 約6km
◎東北道 栃木都賀JCT経由 北関東道 笠間西ICより 約8km

[高速バス利用」
◎『関東やきものライナー』 秋葉原(8:20発) 「笠間稲荷神社入口」下車 徒歩約10分
ホームページ
http://www.nichido-museum.or.jp
茨城県笠間市笠間978-4
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