秋期展示では、初期の大作板画《東北経鬼門譜》を展示します。この作品は全長約10メートルの壮大な板画で、版画の常識を超えたスケールの大きなものです。棟方は東北という土地の受けた悲惨な宿命を悼み、祈りでその宿命を解消しようという願いを込めてこれを制作しました。
その他、四季折々の自然をモチーフにした板画《柳緑花紅頌》ほか、倭画では勇壮な鷹を描いた屏風《御鷹々々図》、勢いのある筆運びで描かれた《大聖妙愛染明王尊像》を展示するほか、平成14年度に購入した鮮やかな色彩あふれる油彩《バラ花卉図》を初公開します。