花巻市東和町出身の両親のもと盛岡市に生まれた晴山 英(はれやま えい 1924-2011)は、岩手美術工芸学校を経て赤松俊子の誘いを受け上京。丸木位里・丸木俊『原爆の図』のモデルを務めるかたわら1951年の自由美術協会展を皮切りに、女流画家協会展を経て前衛美術展(のちの齣展)を中心に発表し続けました。
彼女は、これまで一貫して自己内部から湧き上がるイメージを喚起し、未知なる世界を形にしてきました。そこには不思議なフォルムと湧きたつような色彩が、混沌と調和を繰り返しながら心象風景と呼ぶにふさわしい超現実性を帯びた絵画世界が広がっています。
本展は、2011年に亡くなった晴山英の初の遺作展として、生涯にわたる作品を紹介し彼女の表現性のありかを探りたいと思います。