長崎県出身のプロダクトデザイナー、富田一彦の仕事を総覧する展覧会を開催します。富田は20年にわたりイタリア・ミラノを拠点に、国際市場に向けたプロダクト(生活に用いられる量産製品)をデザインしてきました。グッドデザイン賞、ドイツ・デザインプラス賞など多くの国際賞を受賞し、その活動は国内外で高く評価されています。家具、食器、日用品などの作品はいずれも、「意匠二次元半」をキーワードとする自由な造形感覚と、使い手の生活に寄りそうような親しみやすさ・楽しさが特徴です。また富田は、日本を中心に世界100都市以上の産地と連携し作品を制作・発信してきました。「トミタリア」(トミタとイタリアを合わせた、国名を想起させる造語)を標榜し、自身の作品とその作り手・売り手・使い手などの豊かな関係性を、国境をはるかに超えて広範囲にうちたてようとする独自の世界観は、国際的な文化交流とものづくりの伝統を持つ故郷長崎においてこそ育まれました。本展覧会は、日本を起点に世界を舞台とするプロダクトデザイナーの、旺盛な創作活動の全貌を明らかにする絶好の機会となることでしょう。