ヤゲオ財団(台湾)の現代美術コレクションは、欧米(西洋)とアジア(東洋)、両洋のアートを中核にしている点が特徴です。所蔵する作品の選定は、財団のCEOを務めるピエール・チェン氏自身が行い、「living with art (アートとともに暮らす)」「art is accessible (アートは近づきやすいもの)」というコンセプトの下、自宅やオフィスに作品を展示し、アートに密接した生活を送っています。
本展覧会は、ヤゲオ財団(台湾)が所蔵する傑出した作品の中から選び抜いた、39名の現代アーティストによる約75点を10章に分けて構成し、現代美術の「ハードコア(中核)」ともいえる作品は、私たちが考えている以上に「世界の宝」であるということを確認しようとするものです。作品価格が紙面を賑わすことがあるように、現代美術の作品が経済的な側面において価値を持っていることは紛れもない事実ですが、展覧会という実際に作品が展示される場での体験をとおして、感性的な面や美術史的な側面でも現代美術が「世界の宝」であることを改めて感じ取っていただけるでしょう。