日本には数多くのやきものの産地があります。これらの産地では、土地ごとに特徴のあるやきものが作られ、食のための器だけでなく、茶の湯など日本を代表する伝統文化の形成にも大きな役割を果たしてきました。また現代では、器という枠を超えて、やきものによる新たな造形表現が生まれています。
そこでこのたび、国内のやきものの産地である有田、萩、丹波、信楽、越前、美濃、瀬戸、笠間においてやきものを専門的に収蔵し展示・公開する美術館・博物館8館による共同企画展「やきものって何ダ?」を開催します。
本展では、この8館の所蔵品から約130点を厳選し、やきものがどのように作られ、どのように使われてきたのか、そしてやきもので何を表現してきたのかなど6つのテーマを設定し、紀元前3000年頃に制作された縄文式土器から現代の作品までの五千年にわたる陶芸作品を紹介します。日本各地のやきもの美術館を旅した気分に浸りつつ、やきものの魅力を堪能していただき、みなさんのやきものに対する「なぜ? なに?」に少しでもこたえられれば幸いです。