NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]では、開館5周年を迎えた本年、メディア・アートの領域における表現媒体の基盤とも言える「ソフトウエア」のコンディションを再確認するための企画を連続で行ないます。世界中から収集した、約40点の作品を展示し、作者を招いたシンポジウムやソフトウエアを使ったワークショップを行ないます。
ソフトウエアがコンピュータを動かしていることは、誰でも知っていることだと思います。ところが、実際にコンピュータの中で、ソフトウエアが何をしているのか知ることは、難しいことです。中身が見えないだけに、例えば自動車のボンネットを開けて、エンジンの仕組みを理解するようにはいかないのです。しかし、ソフトウエアを、自動車を改造するように、改造することができれば、きっと何かおもしろい“もの”ができるかも知れません。
ソフトウエアの持つ可能性を理解し、これを表現の媒体、道具、環境、素材として扱っていくことは可能でしょうか。ソフトウエアを創造の基盤とした場合には、どういった表現が生まれていくのでしょうか。今回の企画展では、こうしたソフトウエアに果敢に挑戦しているアーティストの作品や、ヴィジュアル・プログラミングと呼ばれる、ソフトウエアを目に見えるものに変える情報科学分野の紹介などを行ないながら、ソフトウエアの持つさまざまな可能性について考えていきます。
また、コンピュータに初めて触れる小中学生や一般の方々にも、プログラミングの楽しさを体験していただけるワークショップを「プログラミング・デー」として開催します。