サッカーのワールドカップが韓日両国で共同開催される本年、日本と韓国では相互理解と友好を深めるさまざまな行事を行います。東京国立博物館では、その一環として、日韓文化交流特別展「韓国の名宝」を開催します。
展示作品は、紀元前3千年から20世紀初頭にいたる韓国の文化財約270点で、金製品、青銅器、陶磁器、彫刻、絵画、書跡、服飾、家具など、さまざまなジャンルに及びます。これほどの質と量の文化財が韓国外で展示されるのは、きわめて異例のことです。
会場では「先史・三国」「仏教美術」「高麗青磁」「朝鮮陶磁」「絵画・書跡」「宮廷・両班(ヤンバン)」の6つのテーマに分けて作品を展示します。だれもが目をみはるのは、57個もの勾玉に飾られた慶州市金冠塚出土の金冠でしょう。また、三国時代の金製品、高さ1メートル80センチの金銅薬師如来立像(三国時代)や高さ2.5メートル、幅1.5メートルの仏画(朝鮮時代)など、大型で迫力ある仏教美術作品、日本初公開の「金剛全図」(朝鮮時代)も見逃せません。さらに、「宮廷・両班」では、衣服、装身具、家具、文房具などによって、朝鮮時代の宮廷と支配階層であった両班の生活文化を紹介します。
見たことがあるようで、これまであまり目にすることのなかった韓国の名品。この機会に是非ご高覧いただきたいと思います。