安井曾太郎(1888-1955)は、浅井忠の画塾やフランスのアカデミーで洋画の基礎を学んだのち、梅原龍三郎らとともに昭和の画壇で活躍した洋画家です。独自のリアリズムを追求し、省略や強調、デフォルメを取入れた画風は「安井様式」と呼ばれ、“日本人的な感性を表現した”と評価されました。本展では、初期のデッサンから後年の油彩画まで、人物画を中心とした作品から、「人ならば、話し、動き、生活する人を描きたい。その人の性格、場合によっては職業までも充分現したい」と述べた安井の、50余年にわたる画業の足跡をたどり、彼が目指した絵画と、その作品の魅力を紹介します。