このたび笠岡市立竹喬美術館では、埼玉県在住の木原眞人氏が所蔵する日本画コレクションより、代表作81点を選抜して紹介する特別展を開催します。第一部の「艶美の競演―東西の美しき女性」では、東京の鏑木清方と大阪の島成園の作品を中心として、上村松園、北野恒富、木谷千種らの作品57点により、東西日本画における女性表現の艶やかさを比較して、それぞれの魅力を探ります。また第二部の「近代日本画の名手」では、横山大観、竹内栖鳳、冨田溪仙、橋本関雪、榊原紫峰、土田麦僊らの歴史画、花鳥画、風景画24点により、近代日本画の名手が形成した大きな流れを辿ります。
木原氏は少年期より近世から近代に至る文学に親しみ、職を得たのちにはこの時代を彩った文学者の直筆資料や画家の作品の蒐集に努めてこられました。このコレクションは「木原文庫」と称され、一部は鏑木清方展や島成園展などで紹介され、すでに高い評価を受けておられます。
今回の展覧会は、木原文庫の中枢を一堂に会して、いわばコレクター木原眞人氏の一貫した美意識に触れようとするものです。一人でも多くの方が、心地よい共振を得られれば幸いです。