いにしえより、東西交渉のかなめとして栄えたペルシア。現在のイランにあたる地域であるペルシアの美術を含む、古代中東美術、いわゆるオリエントの美術は「煌めき、輝き」に満ちています。本展では東西交流、そして文化の華と言われたカットガラス碗と陶磁器の至宝と言われるラスター彩を中心にガラス、陶器、金銀器、コイン、装身具などに焦点を当てることで、ヨーロッパ、オリエント、中国、そして日本へと、時空を超え無軌道に走り回った東西美術交渉の曲線を手繰り寄せてゆきます。また群馬県松井田工業団地遺跡出土の《奈良二彩小壺》を特別に展示することで、唐からペルシア、そして東国の群馬へと伸びた東西文化のひろがりについても検証していきます。